昨日2月16日は、神戸空港開港6年でした。
マスコミは、行政の「お祝い」イベントを流しつつも、日本航空の撤退もあり、見通しの「暗い」神戸空港を報道しました。
神戸空港問題の根幹は、阪神・淡路大震災後、被災者の生活再建より空港建設を優先した市、県、国の行政のあり方です。
空港建設に反対する「住民投票」運動に寄せられた、多くの市民の声にも耳を貸さず空港建設を強行したのです。
15日夜の、神戸市民要求実現連絡会の学習会では、158億円もの借金をチャラにするトリックで、空港財政を「健全」にしたカラクリが報告されました。
兵庫県政と空港とのかかわりを考えてみます。
神戸空港のみせかけの「管理収支黒字」のため、兵庫県から「整備補助金」として毎年度2億数千万円、のべ約71億円が支出されています。
また、ターミナルビルへの出資金として3.3億円、合計75億円が、私たちの税金から支出されているのです。
もっとひどいのは、兵庫県営「但馬空港」への無駄づかいです。
もともと、利用者を年間5万3000人と予測し、300億円かけて建設したものです。
しかし、現在の利用者は年間2万9千人にすぎず、採算性がとれない路線のため、民間会社が運航できていません。
赤字補てんはもちろん、運航経費まで支出し、関連事業を含めて、年間5億円ほども税金を投入しています。
さらに、但馬地域の市町で協議会をつくり、住民に利用してもらうための補助金をつぎこんでいます。
最近では「伊丹空港から但馬空港への直通タクシーの異例サービス」(2011年12月28日、「朝日新聞」)とも報道されました。
また、豊岡市が2001年に実施した市民アンケートでは、「今後必要ない施設はどれですか」の問いに「但馬空港」がすべての年代にわたって1位です。
甚大な被害をうけた台風23号のときも、避難者向けの備蓄倉庫になっていましたが、空港に行く道路が土砂崩れで、役立ちませんでした。
地元や防災に役にたっておらず、無駄が無駄を呼ぶ公共事業の典型と言えるでしょう。
また、兵庫県は、関西国際空港の1期事業には54億円、2期事業には84億円の、合計138億円(出資と貸付、平成21年度まで)を出しています。
井戸知事は、「関西3空港の利用促進」を持論としており、神戸空港と関西国際空港をつなぐ「海底トンネル構想」(総事業費・7000億円以上)を繰り返し主張しています。
(朝日新聞2011年12月28日付より)
「但馬-伊丹、直行タクシー地元手製の『増便』利用ゼロ」
但馬空港(兵庫県豊岡市)の地元自治体や経済団体でつくる協議会が、定期便が飛んでいる大阪(伊丹)空港から但馬空港へ直通タクシーを走らせる異例のサービスを始めた。
秋のダイヤ改定で不便になった東京からの乗り継ぎをタクシーで補う狙いだが、1カ月たっても利用者はゼロだ。
タクシーは乗り合い制で、但馬発伊丹行きの便を使った人なら、いつでも平日に利用できる。
午後8時半に伊丹を出発し、終点はJR豊岡駅。両空港間は約175キロあり、タクシーだと高速道路を通って約3時間、約5万円かかるが、但馬空港推進協議会が助成金を出し、1人4千~5千円に設定した。
必要な予算は約500万円。協議会の予算の大半は、地元3市2町と県の拠出金だ。
きっかけは日本エアコミューターが10月末、伊丹発の便を午後5時から午後3時25分に繰り上げたこと。
但馬空港周辺の冬場の天候が悪いとの理由で、来年3月下旬までは続くが、東京から伊丹経由で但馬空港に帰る場合、羽田を午後1時半に出発しないと間に合わなくなった。
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