さきのブログで紹介した本は、2010年11月に大阪で開催されたシンポジウム「若年労働者の過労死・過労自殺からみるブラック企業の見分け方」をまとめたものです。
主催は、大阪過労死問題連絡会。
青年をとりまく、きびしい社会の現実が告発され、たたかいが報告されています。
「ブラック企業」。
関西大学の森岡教授は、報告の中で、「参考までに私が考える、『こういう企業はあぶない』という指標をあげています。
・社員規模に比して採用人数が異常に多く、離職率が目立って高い企業
・露骨な性差別があり、女性社員の平均勤続年数がかなり短い企業
・基本給+残業代を「初任給」とし、長時間残業を給与体系に組み込んでいる企業
・過労死、サービス残業、セクハラ、パワハラなどが問題になった企業
・「△年後には独立可能」「入社即店長」「△年後には年収△百万円」などの「夢」をやたらと売り物にする企業
・求人情報の労働条件と採用後の労働条件が大きく異なる企業
・社長がワンマンないしカリスマで、やたらと従業員のやる気を鼓舞する企業
・労働条件があまりに劣悪で、ネット上でしばしばたたかれている企業
貧困と格差、ワーキングプアなどの実態が社会問題になり、国際的にも「ディーセント・ワーク」を取り上げるようになってきています。
しかし、この冊子で、「カンテツな女」、「貧困スパイラル」、「ウラギリスパイラル」などの「新しい言葉」が報告されるほど、日本社会の現実は「進んで」いるのです。
私たちには、「就職難に喘ぐ学生たちや、仕事に疲れた若者たちは、社会に向かってSOSを発している」(森岡教授)現実に立ち向かう勇気が求められています。
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