伊丹市のMさんからのメールを紹介します。
「ファンド規制と労働組合」‐一見すると、接点がないようなタイトルの新刊本。
だが、読み進む内に、投機マネー社会の中で、
労働運動が新たな運動の成果を積み重ねていることを知った。
外資ファンドは株式市場を通じ、
ねらった会社の経営支配をいつでもできるようになっている。
また、ファンドマネーの多くは経営立て直しや起業支援でなく、
会社そのものの売却益を得るため動かされている。
さらに所在地も不明であり、情報開示されていない。
実質的に経営権を握っても、こんな相手と交渉するのはとても難しい。
労組は、法律家や研究者と学習を重ねながら、
労働委員会への申し立て、株主代表訴訟、金融庁交渉など霞ヶ関行動を通して、
彼らの傍若無人ぶりを明らかにし、
労働組合そのものと労働者を守る運動をしながら、
ファンド規制などの法整備を求める活動をしている。
ファンドは既存の株主や経営者の利益も損ねているので、
従来、労働運動とは縁のなかった人たちとも、
「ファンド規制」で共闘できる可能性があるのではないか。
もうすでに、全労連で模索されているかもしれない。
しかし、「ファンド規制」運動の中心となるのは労組。
この本では、労組の運動がファンドの経営のっとりを阻止した例にも触れられている。
ニュースで見たあの事件は、
労組の頑張りが掘り起こしたのかと、改めて知った。
ファンドとたたかうには、財務諸表や、証券にも詳しくならねばいけない。
やがて資本家、経営者がいなくなった後でも、
会社を経営していけるための準備をしているようだ。
神戸市と神戸市教育委員会が、
5月の神戸憲法集会の後援を拒否した問題で、
実行委員会が神戸市・教育委に抗議をしました。
以下は憲法改悪ストップ兵庫県共同センター週刊ニュースの記事です。
* * * *
毎年5月3日・11月3日の憲法記念日に集会を開いている
『神戸憲法集会実行委員会』は、
今年5月3日、1100人が参加出来る神戸芸術センターで、
内田樹神戸女学院大学名誉教授の講演をメインに開催します。
そのため、昨年末から神戸市と神戸市教育委員会に集会の「後援」を求めていました。
2月に入り市と教委は
「昨今の社会情勢に鑑み、
改憲・護憲の政治的主張があり、
憲法集会そのものが政治的中立性を損なう可能性がある」として
「不承諾」の通知をしてきました。
3月12日、実行委員会の兵庫県憲法会議の
代表委員・和田進神大名誉教授、津川知久兵庫労連議長、
事務局長の上脇博之神戸学院大学教授らが、
神戸市へ「不承諾理由」の根源をはっきりさせるため訪れました。
神戸市、ならびに同席した教育委は、「総合的判断だ」と言うのみで、沈黙のままでした。
和田教授は、
「憲法集会は50年前から開催し、護憲・改憲の議論は今に始まったことではない」と述べ
「昨今の情勢に鑑み」とは、安倍政権登場のことではないのかと指摘しました。
上脇教授は、
「公務員(神戸市や教育委)は、憲法を尊重する義務があり、さらに擁護も必要、
本来なら神戸市自身が憲法記念日の集会を主催すべきではないのか」と糺しました。
津川代表は、
教育委に対し「学校の先生が授業で憲法の話をすると
政治的中立性を損なうことになる」と指摘しました。
さらに代表らは、
「今日の対応では到底納得できない、
新しい市長がそういう立場に立っていると理解してもいいのか」と述べましたが、
神戸市と教育委は、これらの指摘と話し合いの中で「事の重大性」がややわかったのか、
顔をこわばらせるだけに終止しました。
神戸憲法集会実行委は、
安倍壊憲の影響がここまできていることを認識し、
市民に集会成功への一層の協力をうったえています。
全国の「原発ゼロ統一行動」に連帯して3月9日午後開催された、
兵庫県の「東日本大震災・福島原発事故から3年集会」では、
福島県農民連常任幹事の三浦広志さんが講演をしました。
以下、印象に残った点などです。
開拓して数10年積み上げたものすべてが海のモクズになりました。
原発事故により、今もそのままの状態です。
手をつけられないままの開拓地、
雪や雨が降ると湖になってしまう田んぼで、
今後農業を再開することはできないと思います。
それでも、農業の復旧、地域を元気にするために、
農地のガレキを集める復興組合をつくっていきました。
福島の農業の再建と食の安全確保のため、
福島産米の全袋検査、野菜・果物などの放射能検査をしています。
農産物の直売所を立ち上げ、
放射能検査のデータを繰り返し、繰り返し公表していく中で、
安全の信頼を得ていこうと考えています。
経済産業省の太陽光発電実証モデル事業として、
事務所などの屋根にパネルをつけ、雑種地に太陽光牧場をつくろうとしています。
国、東京電力、経済産業省、文部科学省などとの直接交渉で、
事業や賠償の道を開いてきました。
3年経ってもなお震災後のままの原発被害地を知ってもらうため、
原発20キロ圏内ツアーもしています。
今年のテーマは、田んぼアートと太陽光発電です。
私たちの未来はなかなか見えてきません。
でも目の前にある、
私たちにできることを一つ一つ実現していくことで、道が開けます。
発想すること、協議すること、交流すること、行動すること、
そこで生まれた信頼を糧に一つ一つ成し遂げていくことで、
『野馬土』に関わった人すべてに『再生と元気』を実感していただけます。