かつて信濃毎日新聞で、気骨のジャーナリストとして健筆をふるった、桐生悠々が亡くなって、この9月で70年になります。
その悠々の人生を『抵抗の新聞人・桐生悠々』として評伝にまとめた井出孫六が、故郷の信濃毎日新聞に30年にわたって連載したコラムをいく冊かの本にしています。
その1冊のタイトルが、『すぎされない過去 政治時評 2000-2008』です。
「従軍慰安婦」問題を取り上げた「過ぎ去れない過去」(2007.4.5)、原発報道の闇を指摘した「地震と原発は禁句か」(2007.8.16)など、今も続くたたかいにつながるものです。
「すぎされない過去」の最後のコラムでは、「この禍々しい暮れつ方」(2008.12.25)で、航空自衛隊の田母神前幕僚長が、「日本は侵略国家ではなかった」とする文章を書き、雑誌の懸賞で最優秀賞になったことを指弾しています。
沖縄八重山地方の教科書採択をめぐる動きは、治安維持法下の弾圧や15年間に及ぶ戦争体験を、過去のものとしてではなく、現在から未来へ続くものとしてしっかり受け止めることの大事さを発信しています。
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