地震、津波から4ヵ月後のいわき市沿岸部の様子です。
いわき市薄磯地区 海から数十メートルの地域 土台だけが残っている
いわき市薄磯地区 海岸から100メートルほどの寺 屋根が傾き柱で支えている
いわき市久乃浜地区 ここも海岸から数十メートルが破壊されている
中央の低い建物には「とりこわしOK」と書かれている
久乃浜地区 津波被災地には、家の持ち主の解体了承の「手書き張り紙」貼られている。連絡先はすべて携帯電話、居住者(権利者)との続柄「長男」と記載したものがあった。住んでいた方は亡くなったのかもしれない
久乃浜地区 津波はわずかの差で被害を分けた 道の奥数十メートル先が先程の破壊された地域
四倉の道の駅 建物の浜側、川側は破壊されているが大漁旗をなびかせ仮営業している
今、「財界主導の上からの復興」の押しつけか、「住民合意を尊重した復興」かのせめぎ合いが起こっている、と言われていますが、財界主導の“復興”などあり得ません。
それは“復興”などではなく財界による新手の“収奪”です。
「水産特区構想」の例をみても明らかなように、地元住民が約8000年も前から営々と守り続けてきた沿岸漁業の営みと、そのルールをつくってきた漁業と同じ権利で、資本が海をよこせと言っているのです。
これはもう“収奪”以外の何ものでもないと思います。
これだけではありません。「震災」という国民的困難に乗じて、資本家はリストラで搾取率を高めようとし、またコメの先物取引で利益をあげようとしています。
海外投機マネーは円高をつり上げ、国内大企業は電力不足を口実に「海外に出ていく」と脅しをかけ原発再稼働を急がせています。
だいたい、「法人税が高いから海外に行く」と言って減税させておきながら、安い労働力を目当てに海外移転は止まっていません。いま、衣類も家電製品も、メーカーは日本のものでも「日本製」の文字を見つけることは稀です。
原発被害者への補償も、東電に代わって国がするということですが、これは被害者が損害賠償の一部を自分のお金で負担することと同じです。民事訴訟ではあり得ない考え方です。
まるで火事場泥棒のように、他人の弱みにつけこんで自らの要求を押し通そうとする資本の自己増殖運動を、もっとも酷い形で見せつけているのが、「3.11」以来の動きなのではないでしょうか。
投稿情報: 伊丹市M | 2011年8 月 2日 (火) 12:49