放射性セシウムの付着した稲わらを食べた牛の肉が、全国のスーパーなどに広がっていると報道されています。
どの牛が、どんな稲わらを食べ、いつ食肉処理され、どこへ流通したか、追跡調査したのでしょう。
もとより、畜産農家にも、稲わら農家にも、牛にも何の罪もありません。
原発事故で放射性物質が広がったデータをひた隠しにしてきた国と東京電力の責任であり、予想された今回の事態に対処してこなかった政治の無策の結果です。
内部被ばくした牛も、汚染されていない餌を数ヵ月食べれば、きちんと役目を果たしてくれます。
この牛の追跡調査の報道に接して、考えさせられたのは、原発事故の収束作業にあたった方で行方や身元が不明な人が多くいるということです。
過酷な作業の後、内部被ばく量の測定もされずに、収束の責任事業者である東京電力からほったらかしにされたのです。
名前も、住所も、戸籍もある人間の追跡がなぜできないのでしょうか。
重層的、差別的な原発労働の実態ではあっても、命にかかわる処置さえ放置してしまうことがあっていいはずはありません。
そういえば、動物愛護法違反の罰金より、労働基準法違反の罰金が、極めて安く抑えられたままにされています。
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