小泉親司さんの講演「安保条約の本質への展望」で印象の残った話です。
1.アメリカの原子力の「平和利用」への国連演説(1954年アイゼンハワー)
・「アトムズ フォー ピース」=核兵器を廃絶するだけではなく、開発した原子力を平和利用(=商業)のために使うことへの決意表明を行い、核開発と原発開発を進めていった。
2.毎日新聞5/21コラム「近聞遠見:トイレなきマンション(岩見隆夫)
・表記コラムで不破哲三氏の講義を紹介している。以下、長くなりますがコラムの抜粋です。
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原発情報は各メディアにもあふれている。
しかし、どれも隔靴掻痒(そうよう)の感があって、この国難の乗り切りに不安が増すばかりだ。
そんななか、14日付の共産党機関紙「しんぶん赤旗」に3ページにわたって掲載された不破哲三社会科学研究所長(81)の<原発災害講義>は出色だった。
日本の原発について歴史的、体系的に振り返り、なにしろわかりやすい。
不破が同党の書記局長、委員長時代、三木、大平、鈴木、小渕の四つの自民党政権下で追及してきた実績が講義の裏付けになっている。
二十数年間、原発災害という同じテーマで質問し続けた唯一の政治家だ。
長年の論戦の実感として、不破は、「質問に答える政府側が、原子力の問題をほとんど知らないで済ませていることにあきれ続けた」と述懐している。
最初の質問は1976年の三木政権下。当時、原発は6カ所に9基、さらに増設計画が進んでいた。
不破は、「原発の一つ一つが安全かどうかの審査をきちんとやっていると責任をもって言えるか」 とただし、佐々木義武科技庁長官が、「十分やっている」 と答えた。
ところが、審査体制を調べると、アメリカは1900人の技術スタッフがいるのに、日本は全員非常勤のアルバイト仕事。
審査といっても設計図をみるだけだった。
さらに、福島原発でも大問題の使用済み核燃料についても質問したが、まともな答弁がない。
いま、不破は、「政府側がほとんど何も知らないことに驚いた。
それから35年たっても、原発の後始末の面では何の手も打たれていない。
だから、原発は<トイレなきマンション>と言われてきたのだ」と語る。
80年(大平)にはスリーマイル島事故の教訓、81年(鈴木)は東海地震と浜岡原発、99年(小渕)は国際条約違反問題を取り上げた。
だが、政府側の反応はすべて<安全神話>に浸りきったものだった。
不破が言う。
「菅内閣の対応は本当にだらしなく、政権党として考えられない。
しかし、こういう事態をつくり出したのは、2年前まで政権を担ってきた自民党だ。
国民的大災害の根源である自民党の歴史的責任に口をぬぐい、今の対応だけを追及して済まそうというのは、あまりにも無責任な態度だと私は思う」
講義の最後で不破は次の二つの問題を訴えている。
(1)原発からの撤退を戦略的に決断する
(2)安全最優先の権限と責任をもった原子力の審査・規制体制を緊急につくりあげる(撤退しても後始末に少なくとも20年ぐらいかかるから)。
(2)は当然、(1)は国民的な討論が必要になる。
原子力への理解を深めるためにも、不破講義の一読をおすすめしたい。
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3.「トモダチ」作戦を日米同盟強化に使わせてはならない
〇このような大震災時に、政治的立場に関係なく、同盟を結んでいようがいまいが救援活動を行うのが当たり前のこと。関東大震災時にも中国を侵略していた日本にも多くの国から支援が届いた。
〇東京新聞5月16日付社説「弱者に押し付ける傲慢 沖縄米軍基地と原発」
→この活動(「トモダチ」作戦)をもって普天間の県内移設を正当化しようとする動きには違和感を覚える。被災現場での献身的な活動を政治目的に利用することは厳に慎みたい。
4.他、知っておくとためになる情報
〇「思いやり予算」をしている国は27カ国、日本は1位で54%、つまり2位~27位の合計より多いということ
〇米空母を受け入れている(母港)のは、日本だけ
〇海兵隊の常時配備も日本だけ
〇もちろん、首都に外国の軍隊がいるのも日本だけ
安保実行委員会発行のブックレットがたくさん出ています。
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