8日の朝日新聞は、全国から送られた郵便バイクにのり、がれきの街を懸命に配達する、郵便配達員と受け取る被災者の様子を伝えた。
「うれしいね。まだ水も電気も、なんにもないのに、びっくりしたの。郵便屋さんがきたーって」
2007年出版された、作家なかむらみのるの「郵便屋さん」は、郵政民営化を前に、現場で働く人たちがどういう扱いを受けたか、どんな気味ちで民営化の動きを見守ったか、働くものの視線で、郵政事業の民営化を描いた。
元郵便局員の作家が、郵政産業労働組合の機関紙や全国各地の職場新聞を情報源とした、この掌編小説は、地域の人に寄り添いながら、誇りを持って働く姿を、短い文章に臨場感を込めて書いている。
その中に、「震災地の一通」がある。
2004年10月の新潟県中越大震災の被災地で、自らの家の片付けは後回しにして、避難所にも足を運び、被災者の「ひこべえさんの衆はどこ?」などの質問にも答えながら、配達する姿を伝えた。
主人公は思った。
「この人たちに、『ありがとね』と笑顔で言われるのが楽しみで何十年も働いてきたようなものだ。ありがとうにありがとうだ」
同じ、なかむらみのるには、「新潟中越大震災 日本共産党救援センター物語」という作品もある。
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