6月20日(日)午後、兵庫県の国家公務員の労働組合の主催で、「地域主権・道州制を考えるシンポジム」が開かれました。
松下政経塾出身の民主党議員や、大阪府知事の「地域主権」、「道州制」などの言葉をマスコミが取り上げている中、その本質について考えるシンポジウムです。
【基調報告から】
〇民主党政権がかかげる「地域主権改革」は、自公政権の「構造改革」による地方政治を受け継ぐものであり、その本質は、国民生活の最低基準(ナショナルミニマム)にかかわる問題が自治体に丸投げに他ならない。
〇また、全国知事会の「国の出先機関原則廃止プロジェクトチーム会議」は、国の出先機関について、「地域のことは地域が決めて実行し、地域が責任をもつ」という地域主権の理念への背反や二重行政による弊害などを報告しているが、これは、国民の生活や権利を保障するための全国統一の制度や基準を否定するものであり、二重行政についても実態を無視したものだ。
〇道州制、地域主権改革で財界がねらっているのは、府県の廃止や国の出先機関廃止によって出きた財源を、空港、港湾、高速道路などの大規模プロジェクトの資金にまわすことだ。もう一つは、地方自治体に農業や地域産業、福祉、教育、医療の切り捨ての役割を担わせ、国に住民の批判の矛先をこさせないようにすること。
〇道州制は、国と地方自治体の対等な関係をこわし、中央政府と州政府、基礎自治体の権限を「役割分担」し、中央政府の権限に属する軍事、外交問題については地方自治体の住民が発言することすら許さないことにするもの。それは「戦争ができる国」づくりでもある。
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基調報告の後、運輸、港湾、建設、法務、労働、気象など国の「出先機関」で働いておられる公務員の方々によるシンポジウムがあり、具体的な事例も多く報告されました。
それぞれの専門分野の方々と、その行政サービスを受ける住民との連携はとても大事です。
6月22日(火)には、民主党の地域戦略大綱の決定が予定されています。
貧困と地域格差を広げる地域主権・道州制へのたたかいが重要です。
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