日本共産党が、2010年3月から4月にかけて調査した、全国の市町村が運営する国民健康保険の特別会計への都道府県の「独自支出金」(法律に定めがなく、都道府県が独自の条例や要綱等にもとづいて支出しているもの)の現状を紹介します。
調査報告書の概要は、次のとおりです。
1. 「独自支出金なし」の県は、10年間で9県から34道府県へ大幅に増加
2. 子ども、高齢者、障害者、ひとり親家庭などの医療費助成制度にたいする国のペナルティから市町村を守る独自支出金を廃止した県が広がる
3. 「三位一体改革」で、それまで国がはたしてきた役割が都道府県におしつけられ、都道府県の独自の役割が後退
今回の調査であきらかになったことは、「三位一体改革」のなかで、国民健康保険においても、これまで国がはたしてきた役割が都道府県に押しつけられる中で、都道府県が独自にはたしていた役割が廃止・縮小され、市町村へとしわよせされているということです。
その矛盾は、結局は、高い国保料(税)のいっそうの値上げなど、住民にむかっています。
国民健康保険の再生をめざすためには、国庫負担の引き上げが一番肝心であり、私たちも強く求めています。同時に、今回の調査結果のように、都道府県による独自の支援が弱まっていることも重大です。都道府県にもふさわしい役割の発揮を求めます。
○くわしくは、日本共産党HPをご覧ください。
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兵庫県は、独自支出は続けていますが、被保険者一人あたりの金額は362円です。
病気なっても患者になれない医療難民が激増している中で、ダムや海底トンネルづくりに税金を使うのではなく、「住民の福祉の増進を図る」(地方自治法)役割の発揮が何よりも必要です。
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