第302回定例県議会が開催されています。
憲法県政の会は、総選挙の結果も踏まえ、もはや破たんが明白になっている「新行革プラン」の中止を求める請願を提出しました。(以下本文)
兵庫県「行財政構造改革」の中止を求める請願
請願団体名 憲法が輝く兵庫県政をつくる会
代表者名 代表幹事 田中 耕太郎
【請願趣旨】
井戸敏三兵庫県知事が副知事に就任した1996年の県債残高は3兆982億円でした。その後、井戸知事は「創造的復興」と称して「ハコモノ」建設や不要不急の公共事業など、およそ震災とは関連のない事業を次々とすすめ、また全国唯一上限なしで大企業へ補助金を垂れ流すなどの政策を進められてきました。この間、1999年には「県行財政構造改革推進方策」が打ち出され、老人医療費公費負担助成の削減、民間社会福祉施設職員の処遇改善費の廃止、県立高校統廃合、重度心身障害者・母子家庭・乳幼児医療に関わる入院生活福祉給付金制度の全廃など県民の生活破壊と福祉切り捨ても進められてきました。そして県職員数の削減、県単独施策についての福祉関係経費の減少、さらに職員の賃金についても大きく抑制されてきました。このように県民、県職員に多大な「痛み」を押し付けることで「2008年度までの合計で約1000億円の新規施策等調整財源を確保することが可能」であり「収支不足の解消が見込まれる」と明言されていましたが、結局「絵にかいた餅」になり、現在の県債残高は09年度末見込みで4兆5507億円にのぼっています。
県の財政がこのような状況に陥った原因はひとえに県政運営の誤りにあり、責任は県知事にあります。
ところがその反省もないままにすすめられている「新行革プラン」では、1兆3千億円規模の事業費削減を2008年度から2018年度にかけて実施するとし、県民向け施策のさらなる切り捨て、市町への負担増、県職員3割削減や5%の賃金カットなどを盛りこみ、これまで続けてきた県「行革」の路線をいっそう推進して県民と県職員に犠牲を強いるものとなっています。その一方で「播磨臨海地域道路」などの不要不急の大型公共事業計画をおしすすめ、パナソニックとその関連会社だけで総額218億円に上る補助金支出を予定するなど大企業への補助金等の優遇措置はそのままとしているのですから、目標として掲げている財政再建も実現しません。そのパナソニックが従業員1万5千人の首切りを計画しているとあっては、県民の怒りは心頭に達しています。
「新行革プラン」は、具体的な施策については毎年の予算としての議決を必要とするものです。総選挙で示された民意は構造改革路線・自公政治否定であり、生活支援重視にほかならず、「新行革プラン」とは相容れないものです。その結果も踏まえ県議会として、県民生活向上のために、既定の政策を変更することを決定されるよう求めます。
【請願事項】
1、ただちに「行財政構造改革」を中止し、県民生活と福祉向上への直接支援策を策定すること
■ 議会請願は、県会議員の紹介があって受理され、審議にかけられますが、その紹介を得るために、各会派に請願内容を説明して、紹介議員になってくれるよう要請するのが、通常の作法になっているようです。
今回は、9月30日に各会派を訪問し、その会派の政務調査会に要請し、翌10月1日に返事を聞きに行きました。
▼9月30日昼・県議会内
自民党=栗原政調会長の部屋の受付に預け。
民主党=大塚政調副会長ともう一人の議員の方に趣旨を説明。
「知事選挙で田中耕太郎候補を擁立した憲法県政の会です」と自己紹介し、「総選挙の結果からも、民主党中央・新政権の政策からも『県行革路線』は矛盾する」との説明。
同席した議員からは「これは全面否定だから、『井戸知事辞めろ』という趣旨か」と深読みした話が飛び出しましたが、「いやいや、選挙結果を否定しているものではなく、知事としても『県行革は中止した方が良い』という意見だ」「個別の施策に対しては、一歩前進のものがあるかもしれないが、それはそれとして評価したとしても、県行革プランの考え方そのものが、これから求められる政策への桎梏になる」などと穏やかに説明。
公明党=下地政調副会長に趣旨を説明。
みどりの風=丸尾幹事長・山田政調会長に趣旨を説明。
日本共産党=全員に挨拶し、快く受け取って頂きました。
無所属(5人)=各自宛の封筒に入れ、受付に預けました。
▼10月1日・県議会内(昨日の申し入れへの返事を聞きに回りました)
自民党=内藤兵衛議員「我々は不断の努力で行革をすすめている。紹介議員にはなれない。」
民主党=中田香子議員・大塚たかひろ議員「今の兵庫県は行革をやらなければやっていけない。見直しなどは考えても、行革全てをなくすことはしない。個別の一致できる点でなら協力できる。」「紹介議員にはなれない」
公明党=下地光次議員「一致点はあるが紹介議員にはなれない。」
みどりの風=丸尾 牧議員「我々は是々非々で請願を受けていきたいと考えている。会派として見直しは考えるが行革自体は否定しない。紹介議員になれない」
日本共産党=杉本ちさと議員「趣旨に賛同する。議会で大いに議論したい」「紹介議員になります」
という経過で、日本共産党の杉本議員の紹介で、県議会に提出することができました。
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