11月11日の井戸兵庫県知事の「関東大震災はチャンス」発言に対して、全国から抗議が集中しました。当初「どうして騒ぎになっているのか理解できない」として撤回も謝罪も拒んでいた知事も、13日になってついに撤回・謝罪会見を行ないました。しかし、「言葉が誤解された」とか「誤解による混乱で、多くの皆様にご心配をかけた事態に責任を感じる」といっていいるようでは、国民・県民の怒りの本質が解っていないようです。
憲法県政の会は、12日の幹事会でこの問題を協議し、下記の声明を発表しました。この文章は県庁の知事室に届けられました。
「関東大震災はチャンス」という発言の撤回と謝罪を求めます
11月11日の近畿ブロック知事会議で井戸敏三知事が行った「関東大震災はチャンス」という発言と、その発言の撤回を拒みつづける態度は、憲法と地方自治法にもとづく県知事の言動としてまったくふさわしくない、恥ずべきものだと考えます。
知事は12日夕方になって「混乱させてしまったことについて、おわび申し上げねばならない」と述べましたが、これは今回の発言の核心をなす『他人の不幸に期待する』という考え方への反省を示すものではなく、単に「言葉遣い」についての責任を認めただけのごまかしです。
県内外からの強い怒りは、何より、井戸知事の阪神・淡路大震災被災地の首長にあるまじき「ものの考え方」そのものに向けられていることを、よく理解すべきです。
知事はそのチャンスを願った「関東大震災」によって、いったいどれほどの被災者、どれほどの犠牲者が生まれると考えたのでしょう。あるいは、そうした住民のくらしには、そもそもまったく思いが届いていないということでしょうか。
私たちは、残念ながら今回の発言が、阪神・淡路大震災の被災者・住民たちの生活再建を後回しにし、「創造的復興」の名で旧来型の大型開発事業を推進した井戸知事の基本的な政治姿勢と深くむすびついたものであると考えるしかありません。
地方自治法の第一条は、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ること」を行政の目的の第一に掲げています。井戸知事には、この法の精神をあらためて、しっかりとかみしめていただきたいと思います。
私たちは、今回の井戸知事発言に、心からの怒りをもって抗議します。そして「謝罪の姿勢を示す」などというゴマカシの態度をとるのでなく、発言そのものの非をきっぱりと認め、これを撤回し、兵庫県民および全国民に対する真摯な謝罪の意思を示すことを強く求めるものです。
以上
2008年11月13日
憲法が輝く兵庫県政をつくる会
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