阪神・淡路大震災19年メモリアル集会では、
原発問題住民運動全国連絡センター・筆頭代表委員の
伊東達也氏の記念講演もありました。
「原発震災から2年10か月、福島のいま」
1.原発震災がもたらしたもの 日本史上最大にして最悪の公害
(加害者の東電と政府がおこした人災)
① 被害があまりにも深刻
② 被害が極めて広範囲にわたっている
③ 被害額が極めて大きい
④ 地域の作り直し(復旧・復興)に極めて長い時間がかかることがはっきりしている
2.原発震災の深刻さを2年9か月経った福島に見る
① 誰も住んでいない避難区域の面積は1150k㎡で、
香川県、大阪府の6割、東京都の半分以上
② 避難者は依然として14万人余に上り、
その大多数の人々が家族そろって住める家もない、
希望もない、展望もない過酷な避難生活を続けている
③ 避難先で環境変化などによる福島県民の震災関連死は
2013年12月17日で1605人となり、福島県の直接死1603人を超えた
④ 福島県の全産業に損害を与え続けている。
教育、医療、福祉などあらゆる部門にも被害を与え続けている。
浪江町の小中学生全員1700人は県内外の690校に分散。
⑤ 役場を移転せざるを得なかった9市町村のうち、
戻ったのは2町村。しかも住民は2割しか戻らず若い世代はほとんど戻っていない。
⑥ 県内の大部分は、
依然として自然放射線量を超える人工放射線量にさらされており、
苦しみと不安、ストレスの中で暮らしている。
地域社会が第一原発からの距離で分断され、放射線量で分断され、賠償で分断され、
さらに津波被害と原発被害との対応の違いなど、
県民の中に対立が持ち込まれている。
⑦ 甚大な損害に対する賠償について東電と政府は、
あくまでも狭く、小さくしようと総力をあげており、
県民の怒りは大きい。各地で裁判に立ち上がる人が増えだしている。
3.数多くの問題点を抱えて4年目を迎えようとしている
(1)被害者の生活と完全賠償、健康の確保に向けて
①災害公営住宅建設の遅れを取り戻す
②雇用政策と生業再建の拡充
③完全賠償
④放射線による低線量被ばくの健康診断、検査、医療の継続的な保障
⑤いわれなき偏見による差別を広げないための学校・社会教育の促進
(2)住民本位の除染など速やかな復旧・復興
①汚染水解決などの安全で速やかな事故収束
②除染は復旧・復興の前提
③強制避難地域では地域の作り直しが必要
④福島県民の安全を担っている原発労働者は、
過酷な状況の中で、事故収束のために懸命に働いている。
その労働条件の改善がますます重大になっている
⑤県内全10基の廃炉は福島県再建の大前提
福島の地に将来に向けた新しい社会への「道しるべ」を打ち立てるために、
私たちは今回の大事故に屈することなく、
その実現に向けて進む決意を一層固めている。
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