5日夜神戸市内で、一橋大学の渡辺治名誉教授を講師に憲法学習会が開かれました。
兵庫憲法会議と憲法共同センターの共催による「緊急学習会」でしたが、300人が参加。
「憲法改悪と弱肉強食の新自由主義政治の政治に終止符を打とう」との呼びかけに
勇気が出る2時間12分の講演でした。
【講演で印象に残った点】
総選挙の結果は何を示すか
・今までの05年自民圧勝、09年民主圧勝とは異なる今回の自民大勝。
得票率は09年より1%しか増えていない中での大勝であり、
脆弱な勝利、掲げた政治構想に信任を得たわけでない。
・民主党は、構造改革の政治を変えると約束したが変節、
また急進的構造改革の実行を期待していた大都市部中間層からも離反された。
左と右のの支持者層が去った。
今回の得票率16%は96年の旧民主党結党時の得票率に。
・民主は減ったが、自民が減らなかった理由は、
「アベノミクス」という自民党の構造改革漸進路線への転換による。
自民の得票が増えなかったのは、
地方を中心に構造改革政治に対する不信が続いているから。
一方、自民が減らなかったのは、「デフレ脱却」掲げ、
新自由主義漸進路線で大規模公共事業を地方に、大型補正などを掲げたことによる。
・日本維新の会は2つの役割を果たした。
一つは保守二大政党の地盤沈下が保守の枠内に止まるようしたこと、
もう一つは最低賃金制廃止、公務員身分保障廃止、自主憲法の制定など
争点を右にずらせる役割を果たしたこと。
・脱原発、反TPPなどの運動も、小選挙区制のもとで政治転換させることに結びつかなかった。
しかし、被災3県での共産党票の伸び、
沖縄での共産党票の前進、都知事選挙での共闘の成立などは
運動が政治を変えた新たな3つの芽として上げておきたい。
・そして日本ではまだ起こっていない選挙制度を本気で変えようとする運動が必要だ
安倍政権の改憲戦略
・改憲の狙いは9条が第一だが、それだけではない。構造改革やTPPをしようとしても、
それを妨げている憲法の民主的条項をすべて変えてしまうのがねらいだ。
・「維新」が「決められる政治」にじゃまだとしているものは、
ねじれ現象の参議院、憲法96条の三分の二条項。
・安倍政権も改憲という事業が容易ならざる事業であることは充分自覚している。
そのために、解釈改憲、憲法に反する法律を先行させ、
96条を変えて9条改憲にもっていこうとしている。
新自由主義政治・改憲策動を打破するために
・9条の会型の運動‐「1点での共同、地域に根づいた運動、新しい社会層の参加」
‐を教訓にし、反構造改革・軍事大国の大きな運動を起こそう
・自民党憲法「改正」草案、国家安全保障基本法などの徹底した学習と、
解釈・立法改憲に反対する運動と9条の会運動の再構築による国民連合をつくっていくことが大事。
・改憲反対の国民連合で、憲法改悪をはばむことが、
新自由主義政治を終わらせることへの転換点になる。
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