脱原発を訴えている音楽家の坂本龍一さん(60)が17日、
京都市内で京都新聞社のインタビューに応じた。
呼び掛け人の一人として16日に東京都の代々木公園で開いた
「さようなら原発10万人集会」には、予想を超える約17万人(主催者発表)が集まった。
「参加者の背後に何倍もの共感があると感じた」とした上で
「これからも粘り強く声を上げていこう」と語った。
首相官邸前で6日夕にあった脱原発集会に参加し、
7日から2日間、千葉県で脱原発の音楽フェスティバル
「NO NUKES2012」を開くなど積極的に行動、発言している。
16日の集会では大きな手応えを得た。
「労働組合の動員だけでなく、
手書きのメッセージを掲げるような市民といった幅広い層の姿が見られた。
参加者の背後には何倍、何十倍の共感があると感じた」
「ただ集まっているだけでは政策は変えられない。
具体的なことを同時にやっていかなければならない」
「原発ゼロ」を求める1000万人署名運動に取り組み、一部を6月15日に政府に提出した。
しかし、その翌日、関西電力大飯原発(福井県)の再稼働が決まった。
「野田首相は『国民のため』と語ったが、空虚に響いた。
一部の原子力利権のためとしか思えない」
「なかなか(私たちの思いが)政策に生かされないことへのいらだちや
残念に思う気持ちはあるが、落ち込んではあちらの思うツボになってしまう。
再稼働後、反対の声がしぼむと予想していたが、
その後の集会にも多くの方が集まっており、心強い」
1990年代から環境問題に関心を持つようになった。
6年ほど前に使用済み核燃料の実態を知って以来、
音楽を通じて脱原発を訴えてきた。
そんななか、福島第1原発事故が起きた。
「あれだけの事故を経験して、このまま日本が変わらないのであれば、
日本人としてこの国に絶望するかもしれない。
でも人々が声を上げるようになり、少しずつだが変わってきている。
決してあきらめずに、
政府によるパブリックコメント(意見公募)や選挙で意思表示していくことが大切だ」
(7月18日京都新聞の記事から)
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