野田首相の「大飯再稼動」表明に大きな怒りが広がっています。
この表明には、関西広域連合の事実上の容認声明が大きな「力」になりました。
「声明」発表の経緯を、マスコミ各社の報道から考えます。
(毎日新聞 5月31日地方版)
議論は白熱。約2時間の会合のほとんどを原発問題に費やした。
最後に広域連合長の井戸敏三・兵庫県知事は「我々の気持ちをまとめて公開したい」と話し、
近畿ブロック知事会知事会終了後に広域連合としての声明を発表した。
(福井新聞 5月31日)
再稼動をめぐり関西広域連合は30日、慎重・反対の姿勢から容認へ大きく軌道修正した。
背景にあるのは、今夏15%以上の節電が求められ
「計画停電は生命のリスクがある」(仁坂吉伸和歌山県知事・副連合長)というきびしい現実だ。
(読売新聞 5月31日)
関西広域連合が事実上の再稼動容認に転じた声明文について、
首長たちは水面下で文案調整を続けた。
30日午後3時頃、鳥取県で開かれた広域連合の首長会合を終えた
井戸敏三連合長(兵庫県知事)から、
大阪市役所の橋下徹市長に電話がかかった。
公務のため首長会合を欠席した橋下市長に声明案についての意見を求めるためだった。
関係者によると、橋下市長は「限定的」との表現を加えることにこだわったが、
最大公約数で声明をまとめることには反対しなかった。
再稼動批判の急先鋒だった橋下市長が理解を示したことで、
一気に再稼動容認への流れができた。
前日午後、井戸(連合長・兵庫県)知事は、
再稼動容認に含みを持たせた声明案を各首長に打診していたが、
「細野原発相の説明を聞いたその日に声明を出せば、『出来レース』になる」
などの慎重論が相次ぎ、見送りになった。
ところが、関係閣僚会合が30日夜に開かれるとの一報が飛び込み、
事態は急転。首長たちは
「政府判断の前に広域連合の意見を示さないといけない」(山田啓二・京都府知事)
との考えでまとまった。
非公開の打ち合わせで文面を調整し、この日夕の公表にこぎつけた。
飯田哲也氏の発言
NPO法人環境エネルギー政策所所長、大阪府市エネルギー戦略会議座長代理
(ユーチューブ「たねまき」ラジオ2012年5月31日「急展開・大飯原発再稼動の裏側」から)
一番大きな部分は、まずある意味関西広域連合の中で、
若干、だまし討ちに近いというかですね、下書きを経産省官僚が、おそらく書いた、
例のどうにでも取れるあいまいな文章ですね、
これはどうも経産官僚が書いたのではないかという見方があって、
それを秘密裏に一部の首長がですね、
明らかにこれは橋下市長ではなく、松井知事でもなく、
嘉田知事でもなく、山田知事でもないま、ここから先は憶測ですから申し上げられませんが、
一部の知事が国の官僚とはかって、そのあいまいな文章を受託して、
一方的に発表をしてしまったというだまし討ちのような状況が一つあったというのがまず一つ。
関西広域連合の中の一部首長が、国とはかって合意したというところもあって、
その一部首長の方をあからさまに批判できないというところが、
まあ、横の意識もあるんだと思うんですよね。
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