阪神・淡路大震災の死者6434人の内、避難生活のストレスや持病の悪化などで体調を崩し亡くなった、「震災関連死」は900人余です。
しかし、東日本大震災による震災関連死は、すでに1000人を超えていると言われています。
22日深夜、毎日放送の「映像‘12 救える命」は、震災関連死に取り組む、神戸共同病院上田耕蔵院長の活動を通じて、問題点を掘り下げ、震災関連死を防ぐ手立てを探ったものです。
番組は、南相馬市の大町病院を訪問する上田医師の姿から問題点を検証していきます。
原発から25キロにあった同病院は、3月15日に屋内退避の指示がでます。
その後、同病院の看護師は100人から17人となり、外部支援も断たれた中、300キロ離れた前橋赤十字病院への移送を余儀なくされます。
機動隊の装甲車でデコボコ道を揺られ、観光バスに乗り換え、水分補給することも、食事を与えられることもなく。
その後半年で、病院を移った4分の一の37人が死亡します。
前橋赤十字病院の医師は「震災関連死」と指摘します。
また、介護施設を転々とし5月に亡くなったお年寄り、避難所に燃料がなく低体温症でなくなった介護施設の女性などの実例を検証していきます。
阪神・淡路大震災では「震災関連死」と考えられるケースの発生場所の60%が避難所だったのが、東日本大震災では自宅が53%、避難所は13%という相違も明らかにし、支援が遅れた原因を指摘します。
さらに、4年間で孤独死が200人も生まれた「阪神」を教訓として、民医連による、孤独死を生まない訪問診療の活動を紹介しました。
「阪神」の被災地からの視点で検証した番組には、好感が持てました。
しかし、それだけに、仮設住宅の「改善」問題など被災地全体の実態への検証という点では、もっと掘り下げてほしかったと思います。
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