25日、復興構想会議の「提言」が首相に提出されました。
新聞各紙の社説を考えてみます。
〇読売新聞「復興会議提言-復興を日本再生につなげたい」
・提言のポイントの一つは、規制緩和や自治体への権限委譲を認める特区制度の大胆な活用を打ち出したことである。
・原発事故に直撃された福島県に対しては、放射線の影響に関する最先端の研究・医療施設の整備や、再生可能エネルギーの研究拠点づくりを打ち出した。
・構想会議が臨時増税を打ち出したことは理解できる。
〇毎日新聞「復興構想会議提言『希望』は政治に託された」
・復興財源として基幹税を中心とする臨時増税の検討を求め、復興特区を盛り込むなどの方向性はおおむね理解できる。
・自然エネルギーの東北地方への導入の加速を指摘した点などの方向性は賛成だ。
〇朝日新聞「復興提言-さらなる深化が必要だ」「財源問題-政治は責任を果たせ」
・市町村の能力を最大限に引き出す「復興特区」の活用も挙げた。
・21世紀の産業を育てる再生可能エネルギーの拠点を福島などで展開する案もうなずける内容だ。
・国民の負担増に真正面から向き合う、それが政治の責任だ。
いずれも、国民に対し、負担を「分かち合う」ことによって「復興」への道が開かれると、強弁しています。
しかし、本来あるべき、被災地・被災住民本位の復興は示さず、「特区」などによる企業参入で地域経済が苦難に陥ることに口を閉ざしています。
原発そのものについての批判的言及はまったくありません。自然エネルギー政策への中途半端な評価だけです。
抵抗の新聞人、桐生悠々が、1936年「だから、言ったではないか」と、記さねばならなかった権力の愚行、ジャーナリズムの追随を看過してはいけない。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。