若者の就職問題は、憲法が定めた「職業選択の自由」(第22条)、「勤労の権利」(第27条)から程遠い状況です。
兵庫県内の高卒予定者の内定率は、75.5%(男子80.8%、女子67.5%)で、全国平均より5ポイント高くなっていますが、求人倍率は1.03倍で、仕事を選ぶ余地はほとんどありません。
厚生労働省が1月18日発表した、高校生の内定率は、昨年よりわずかに上昇しています。
〇求人率は17.4万人。前年同期で0.8%減
〇求職者数は16.8万人。前年同期で0.6%増
〇就職内定者は11.9万人。前年同期で4.4%増
求職者数が増加し、求人数が減っているにも関わらず、内定者が増加しているということは、昨年同期より企業が早めに内定を出していることを意味しています。
中高卒業生は離職率が高く、正社員以外の雇用形態の割合も高く、企業が雇用調整をしやすい層と考えている可能性が大きいと言わなければなりません。
高校生は、自分の希望と大きく違っても、職業選択の余地はなく、「一度のがすと、次あるか分からない」のが現状なのです。
また、大卒予定者の内定率は、68.8%と過去最低です。
「買い手市場」が10数年続いている中、大学生は常軌を逸する就職活動を余儀なくされています。
早期化と長期化が学生に大変な負担を強い、本業の学業が充分にできない状況は深刻です。
「リクナビ」など、この状況を儲けの手段にし、さらにあおる企業もあります。
かつては「就職協定」で、一定の歯止めがありましたが、「選択の自由」「自己責任」の名で、「規制緩和」した結果です。
これらの現状が、憲法の要請を満たしていないことは、明白です。
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