安保破棄中央実行委員会の機関紙最新号に、今宮謙二中央大学名誉教授の講演「日米安保と国民の暮らし」(要旨)が掲載介されていますので、紹介します。
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1960年に強行裁決された安保条約の特色は、政治的・軍事的にアメリカに従属しているという面と同時に、経済的な従属が盛り込まれたことだ。
第2条には、「締結国は、その国際経済政策におけるくち違いを除くことに努め…」としている。
日本経済は、この制約の中で発展せざるを得ないことになった。
歴史的には4つの局面があるのではないか。
第1局面-1960~1984「『所得倍増』計画の実態」
「所得倍増」計画の下で、公共投資を行い企業の設備投資を政府が後押しする中で、大企業の資産は5倍、内部留保は9.4倍になったが、実質賃金の伸び率は1.7~1.8倍。
つまり、国内で消費できないものがアメリカに行った。「アメリカのためのものづくり」が高度経済成長の実態だ。
第2局面-1985~1994「ドル安にリストラで対応」
アメリカは貿易収支の赤字によるドル大暴落を、ドル安を打ち出してきた。
そのため大企業は徹底したリストラ-首切り、賃下げ、長時間労働、下請単価切り下げを行った。
また、バブルによる金儲け、アメリカの強要による公共投資などが横行し、国民の側から見れば「カローシ」がこの時代を象徴する言葉として残っている。
第3局面-1995~2006「投機のためにゼロ金利押つけ」
アメリカを中心とする投機マネー、投機社会が拡大してきた時代だ。
アメリカは投機社会をより拡大するためにゼロ金利を押し付け、日本では現在に至るも0%台だ。
アメリカ資本は、0%台の円を借りてドルに替えて数%で運用するただ儲けをしている。
日本の預金者が受け取るべき金利280兆はパーになり、大企業は大銀行から安い金利で金を借りもうけた。
しかし、2007年の「サブプライムローン」による金融危機で、アメリカ的な投機社会が破綻して、新しい時代への道筋が少しずつ明らかになってきた。
世界は、アメリカ一極支配の時代が終わり、安保も歴史的に通用しない時代に入りつつある。
第4局面-「人間復活」・「安保破棄」の時代へ
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いつの時代も、安保条約は私たちのくらしと密接に関わってきました。
先日、若い女性が「去年の佐用水害も、(外国産材木の大量輸入を導いた)『安保』と関係あると聞いて、もっと勉強しようと思った」と感想を寄せてくれました。
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