この3月、米原子力空母ステニスが佐世保港に寄港。米軍基地だから不思議でない、と思うのは大間違い。原子力空母はすでにジョージ・ワシントン号が横須賀基地を母港としており、事実上の「二隻体制」となる。米軍再編の深刻な進行を示している。そのジョージ・ワシントンは、原子炉の点検整備中で、5月まで横須賀に泊まったまま。高知県からの情報では、その艦載機と思われる米軍戦闘機の低空飛行訓練が激増しているという。一度に10機もの米軍機が飛来したこともあるとのこと。空母が動けない間も、軍隊は「休み」ということはなく、訓練に勤しむのは当然のこと。空母が動かない分、艦載機などの飛来、訓練が増えているという訳。
兵庫県は、昨年6月、井戸知事になっては初めて、米軍機の低空飛行訓練について「要望書」を外務省に提出した。なぜ、米軍自体に直接、「危険な低空飛行訓練を中止せよ」と迫らないのか。同時期に、米軍機は徳島県にも飛来し、徳島県知事は、同様の「要望書」とともに、同時に米側に直接、事実関係を照会している。米側は、人口密集地での飛行高度を定めた国際民間航空機関(ICAO)の規定(高度150㍍)に反する飛行があったとの回答をよこした。米軍と日本政府は「最低安全高度を順守している」と一貫して低空飛行訓練を否定してきており、極めて異例のこと。県民の安全を守るための行政責任者の姿勢が問われた。
そればかりではない、大阪空港(伊丹空港)に米軍機が離着陸を続けていることは余り注目されていないが、周辺11市による騒音対策協議会、伊丹市、宝塚市、川西市などが「誠に憤慨に堪えない」「国との信頼関係を根底から覆すことにもなりかねない」と「強く抗議」を表明している事件だ。兵庫県議会は、1968年2月、「大阪国際空港における軍用機の離着陸の禁止に関する要望決議」を採択している。「米軍機の離着陸は、民間空港としての目的に背反し、県民生活上多大な不安をもたらしており、速やかに軍用機の離着陸を禁止する措置を」求めたものだ。米軍機の離着陸回数は、2000年の36回はじめ05年37回、07年31回などと頻繁な状況だが、この問題の担当は「県土整備部」で、離着陸数は国土交通省大阪空港事務所に聞き合わせるだけで直接掌握はしておらず、「離着陸の目的」については「安保条約地位協定に基づくものであり、理由・目的については申し上げる立場にない」との国の態度を受け入れている。県議会決議があるにもかかわらず、兵庫県が県民の安全を守る立場に立っていないかを示している。
ホントに、「イドヒド~イ」。
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