10月6日~8日、「被災者本位の復旧・復興をめざして」「全国交流集会2012inみやぎ」が開催されました。
参加者からの現地リポート④です。
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交流集会は、岡田教授の記念講演の他、3県からの現状報告、
9つのテーマに分かれての分科会(「雇用、地域経済」に出席)がもたれました。
記録しておくべき点、今後への課題などを列挙しておきます。
◇震災で助かった命が失われる
・震災・原発事故による自殺(岩手21人、宮城22人、福島13人、他)‐今後も増加
・震災関連死(岩手281人、宮城636人、福島761人、他県数十人)‐申請数の5割
・仮設住宅での孤独死・孤立死の問題(岩手11人、宮城12人、福島13人)‐今後も増加
◇住まい、まちづくりの問題
・貧困な仮設住宅のもとでの生活‐「仮設から葬式を出したくない」「災害公営住宅に入居したい」
・住宅再建へ抜本的な補助が必要‐住宅ローンの2重ローン対策、金融機関からローンの返済を求められ、義援金等で返済を強いられている
・住民合意を貫いた復興まちづくりを‐巨大防潮堤は必要か、高台移転も住民合意で
・住み続けられる街へ、医療・福祉と教育の復興の課題、水産加工業の工場への通勤問題
◇雇用、地域経済の問題
・被災地で働ける仕事の確保 建設求人はあるが、事務、営業は1倍以下、選択の余地がない
・元請責任を明らかに‐震災で県外から数次の下請作業、労働条件が不明確な状態で送り込まれる、危険な作業で労働災害隠し、長時間労働
・生活できない賃金、底上げが必要‐11万から14~5万の月給、昨年最賃1円の引き上げ、今年4円の引き上げにとどまっている、全国最下位ランク
・トライアル雇用が調整弁になっている問題
・公契約条例づくりの運動を
・水産加工業‐漁港の復旧へ地盤沈下のカサ上げ問題、生産手段の支援を
・高校生が職がないため地域外へ流出‐町を誰がつぐのかの問題に
◇ 原発・放射能汚染の問題
・がれき処理の問題
・放射能汚染‐健康への影響、農漁業をはじめとする地域経済への被害、様々な風評被害
・原発ゼロ、自然エネルギーへの転換を
◇自治体職員の絶対数の不足
・全国からの支援と任期つき職員でまかなっている問題、
・地域住民のくらし、商売の復興に直結する課題
◇被災地ビジネス
・がれき処理、仮設住宅建設他、
・空港・拠点港、大企業の早期復旧との格差
◇「メディカルメガバンク構想」
・世界に遅れをとっているとする製薬資本・産業界の強い要求、震災前からの動きが震災を利用して、野村総研などが背景に
・口実は「未来に医療を実現したい‐個別化医療 遺伝の体質に合わせて」「医療の復興につながる
・問題「倫理的問題(個人情報)」「予算500億医療の再生が遅れている中でいいのか」
◇復興予算の4分の一は被災地と関係のないものに投入されている事実‐大企業、省庁の予算のぶん取り合戦にさせない
◇宮城県村井知事の政治姿勢‐国の「創造的復興」のスローガンのもと、「被災地ビスネス」のモデルに、民間資本導入による復興プランの推進、(例)水産業復興特区(漁業権を大資本に)など
◇原発損害賠償問題
・加害者が被害者の被害額を計算して「払ってやる」という根本問題
・この期に及んでも東電は「人災」との認めていない
・広がり続ける風評被害にもかかわらず、一年以上経過し「風評被害は収束した」との見解と、因果関係ないので支払わないとの返事が増加
・改めて国の責任を
(報告された、ほんの一部の不当事例)
・被害を受けたゴルフ場が裁判をしたが、東電は「放射能は無私物」という主張
・東北から菜の花を仕入れていた生協が風評被害にあったことで請求したが、東電は「風評被害にあわない努力をしたのか」(つまり、仕入れたものが悪いという姿勢)
・ほうれんそうが畑の黒いビニールに付着した放射能で出荷停止になった問題で、
さくらんぼ農家がビニールハウスを取り替えて請求したが、東電は「因果関係がない」と主張
◇まとめをかねた閉会あいさつから
・19億円の復興予算を真に被災者・地本位の復旧・復興に使わせる運動が重要
・「一体改革」‐消費税増税、社会保障の解体、原発稼働、TPP参加など、すべてが被災地の復興を大きく妨げることは明らか
・要求闘争と政治闘争を結合し全力をあげよう
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