電力労働運動近畿センター兵庫の会の速水二郎氏のニュース(7月15日)より
関西電力の「計画停電」は、大飯原発再稼働のため
野田政権が指示した「脅かし」のひとつ
「大飯の再稼働をしたいホントの理由」は、5月はじめから「夏場の電力不足ではない、
需給問題とは切り離して考えている」と関電自身は言い、
総資産の約60%を原発関連が占めているので、
原発を停止・廃炉にすると赤字から倒産に至るので「死活問題だ」と言っていました。
ところが野田政権の誤算は、
福井県は何とか説得したが関西各府県の「理解」が得られず、いらいらしていたようです。
結果的には5月30日「関西広域連合」の井戸兵庫県知事が
経産省官僚のメモ通りに「再稼働容認」声明で決着しました。
この間、政府の動きが「計画停電」なのです。
今回の「計画停電」に至る背景は次の通りです。
東南海大地震が今後30年間で7割もの発生確率があり、
さらに津波の高さがそれまでの2倍以上になることが発表され、
紀淡海峡から大阪湾の津波によって、
全原発停止の中で関電の火力発電所は絶望的な姿となることを示していました。
そのため関電本店「電力流通事業本部(送電線や配電線を司る部門)」は、
今年2月6日「需給逼迫に対応した系統安定システムの構築」方針を策定していました。
このシステムは未だ作成中で、平成24年前半から作業を開始し
約一年後の平成25年5月に運開出来るかどうかという、未完成品なのです。
ところが5月28日前述の政府のいらだちでしょうか、
突然指示されて、ダイレクトメールを出してしまったのが本当の理由だろうと推測出来ます。
そして関西電力から各家庭に「計画停電ハガキ」が届けられましたが、
内容が分かりにくい為に10万件以上の問合せが殺到しています。
そのもようは後述の神戸新聞ニュースが詳しいのでご覧下さい。
関西電力自身も、上記問い合わせに従業員に休日返上で対応させ、
停電周知宣伝カーを大量に用意したり、
医療機器等で必要な家庭のため小型発電機を準備したり、大わらわです。
この夏「電力不足により停電計画がホントに実施されるのか」と言えば、
それはノーです。
電力会社には法律(電気事業法)で供給責任が課せられています。
もし本当に計画停電を実施したら、
その時点の電力使用状況や
発電所ごとの詳細な供給力の検証結果を公表しなければなりません。
すると、関西電力のデタラメな供給状況(大飯稼働で電力が余るため、
日々大きな火力発電所を次々と停止している)が明るみに出て、
社会問題になるのは必至ですから到底不可能です。
神戸新聞ニュース(2012/07/06 07:55)
計画停電苦情相次ぐ 問い合わせ関電に10万件
関西電力が発表した計画停電への問い合わせが13日間で、10万件に迫る勢いだ。生活や経済に直結する問題だが、背景には停電の区域分けが細かい上、実施スケジュールが複雑で「分かりにくい」ことがあるようだ。神戸新聞社にも、各世帯に郵送したダイレクトメール(DM)の説明が不十分な点や、詳細な情報提供を自社のホームページに頼っている点などに批判が寄せられている。(足立 聡)
関電によると、概要を発表した6月22日~7月4日の問い合わせ件数は、9万9960件。
「はがきを見ても意味が分からず弱った」。播磨の食品加工工場の社員はため息をつく。
工場では野菜などの生鮮食品を扱い、計画停電になれば冷蔵庫が使えない。停電スケジュールの把握は急務だが、届いたDMの内容に失望した。
はがきには「グループは6‐A」と印字され、裏面に「6グループ」の停電時間帯を記したカレンダーが載っていた。しかし「サブグループ」と記された「A」の意味が分からない。社員総掛かりで関電のホームページを調べて理解できた。「こんなに分かりにくいのに『ホームページで確認を』とは…。官公庁以上にお役所仕事」とあきれる。
不満の声は、神戸新聞社が「ミントクラブ」の会員を対象にインターネットで実施した節電意識調査(6月29日~7月1日、回答者数1333人)でも多く寄せられた。
計画停電をどうとらえているかを尋ねる質問に「非常に理解しにくい」(60代女性)「完全に周知する方法を考えて」(60代男性)「インターネットで情報が取れる人間は限られている」(40代女性)などの批判が集まった。他の項目でも質問に「関電」とは触れていないのに関電への不信感を示す意見があり、批判は約260件に上った。
関電の計画停電案は、昨年3月に計画停電に踏み切った東京電力の対応を教訓に練られた。同じグループ内でも停電にならない地域が続出したため、グループを細分化した。複雑な実施スケジュールは、2日連続で停電になる地域が出ないようにするため。いずれも「公平性」に配慮した結果だ。
関電は「DMでは十分にお伝えできないことがあり、分かりにくいという問い合わせもある。丁寧にお答えするよう心掛けている」としている。
神戸新聞ニュース(2012/07/06 23:17)
計画停電で18万軒弱の区割り変更 関西電力
関西電力は6日、今夏の電力不足に備えた計画停電の区割りについて、配電線の系統変更や事務的な作業ミスなどで、計約17万7千軒に変更が生じたと発表した。兵庫県内は約4万8千軒に上り、利用者の混乱は必至だ。関電の担当者は「やや見切り発車で戸別に送るダイレクトメールを作成した。ご迷惑をお掛けして大変申し訳ない」と陳謝した。
今回の区割り変更により、これまで計画停電の対象外としていた約5万軒が停電の対象に入った。このほか所属グループが変わったのが約1万4千軒、停電対象から外れたのが約11万3千軒。全体の約2割に当たる約3万9千軒が、関電の事務的なミスによるものだった。
計画停電では、関電管内の全ての契約先約1350万軒を48グループに分け、輪番で2時間ずつ停電を実施する。ただし、救急病院や消防署など国が決めた「重要施設」と、これらと配電線がつながっている周辺世帯は対象外となる。
関電は6月22日に計画停電の区割りを発表。しかし、ダイレクトメール(DM)の作成を1週間前の同15日から本格化させていたため、発表直前まで政府が調整していた除外対象施設の追加などを反映できず、混乱につながった。関電は17万7千軒のうち約13万7千軒に誤ったDMを発送したといい、訂正した分を再送する。
関電の計画停電については、DMの説明が不十分なことや情報提供を自社のホームページに頼っていることなどについて、「分かりにくい」との批判が相次いでいる。
今後も区割りを変更する可能性はあるというが、告知方法はこれまでと同様にDM送付とホームページが中心となる。(内田尚典)
注・【関電管内・グループの調べ方】:①各世帯に届いたDMを確認、②HPで「お客さま番号14桁」を入れて検索、③専用ダイアルは=0120-911-777、④受付時間=9時~20時
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