若い女性を中心に「寅さん」が静かなブームになっています。
市民講座「寅さん学部」、「寅カジ=寅さんカジュアル」の特集、「寅さんDVDマガジン」の発刊、「寅さん女子短期大学」の放送などなど。
その利用者の多くは、「現役」の寅さん世代ではない20代、30代の女性のようです。
日経MJ新聞12月16日付が、ほぼ一面を使って、その思いを探っています。
「秒単位で働き、生き急いでいる感じがしていたが、寅さんはゆったりとした時間軸で生きている。自分を見つめ直すきっかけになった」。
「当たり前の事をずけずけ言ってくれる人と出会うのは幸せなこと」。
東日本大震災の被災地では「男はつらいよ」を見たいという要望が相次ぎ、実際に上映会も多数開かれたといいます。
シリーズ最終作のラストは、阪神・淡路大震災の翌年、苦労の末、店を再開した商店主らのもとへ、寅さんが再訪するシーンでした。
「寅さん」ブームは、自由な生き方へのあこがれだけではなく、幸せをみつける旅への共感であり、騒動を巻き起こしながらも人間が本来もつ連帯感への共感ではないでしょうか。
2001年正月の柴又かいわい
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