在日米軍の普天間基地問題で、大手マスコミは、「『抑止力』として県内・国内移転ありき」の報道に終始し、新政権発足後は、「混迷」の「みそぎ」は済んだのかのように、報道しなくなった。
こうした姿勢について、日本ジャーナリスト会議の機関紙6月25日号で、坂井定雄龍谷大学名誉教授(共同通信OB)は、「暗躍する日米安保ロビー‐日本メディアをフル活用、米政権寄り主張を増加」と指摘している。
以下、大要です。
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アメリカでは、政府と国防総省が、ベトナム戦争で反戦世論を高めてしまった反省から、メディア対策を80年代に全面的に立て直した。
日本メディアへの対策では、国防省も国防総省・軍もジャパン・デスクを作り、対日対策に関わってきた高官や専門家あるいは元軍人が日本人記者と積極的に応対し、働きかけた。アーミテージ元国務副長官、キャンベル国務次官補などだ。
普天間問題を含め、日米安保報道は、主として東京では外務省と防衛庁、ワシントンでは駐米日本大使館、国務省と国防総省のジャパン・デスクなどを情報源として書かれている。
担当記者は「日米交渉の担当者たちが情報源になるのは当然だし、他に手軽に取材できる有力な情報源もないしね」という。
しかし、沖縄現地からの報道をはじめ、集会や有識者のアピールなどの報道と解説などで、バランスをとることはできたはずだ。
新聞やテレビが使いまくったのは、寺島実郎氏が「日米安保で飯を食っている人たち」(世界2月号)で、「日米安保にまつわりつく人たちの腐臭はすさまじい」という。
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私たちの持っている、職場、地域、学園に根ざした「対話の力」で、反撃していくことが求められています。
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