伊丹市のMさんからのメールを紹介します。
「ファンド規制と労働組合」‐一見すると、接点がないようなタイトルの新刊本。
だが、読み進む内に、投機マネー社会の中で、
労働運動が新たな運動の成果を積み重ねていることを知った。
外資ファンドは株式市場を通じ、
ねらった会社の経営支配をいつでもできるようになっている。
また、ファンドマネーの多くは経営立て直しや起業支援でなく、
会社そのものの売却益を得るため動かされている。
さらに所在地も不明であり、情報開示されていない。
実質的に経営権を握っても、こんな相手と交渉するのはとても難しい。
労組は、法律家や研究者と学習を重ねながら、
労働委員会への申し立て、株主代表訴訟、金融庁交渉など霞ヶ関行動を通して、
彼らの傍若無人ぶりを明らかにし、
労働組合そのものと労働者を守る運動をしながら、
ファンド規制などの法整備を求める活動をしている。
ファンドは既存の株主や経営者の利益も損ねているので、
従来、労働運動とは縁のなかった人たちとも、
「ファンド規制」で共闘できる可能性があるのではないか。
もうすでに、全労連で模索されているかもしれない。
しかし、「ファンド規制」運動の中心となるのは労組。
この本では、労組の運動がファンドの経営のっとりを阻止した例にも触れられている。
ニュースで見たあの事件は、
労組の頑張りが掘り起こしたのかと、改めて知った。
ファンドとたたかうには、財務諸表や、証券にも詳しくならねばいけない。
やがて資本家、経営者がいなくなった後でも、
会社を経営していけるための準備をしているようだ。
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