まもなく、東日本大震災から半年を迎えます。
雑誌「議会と自治体」9月号は、自治労連、全教の組合役員の手記を掲載し、大震災の中で発揮された公務労働者の奮闘とともに、公務員攻撃が厳しさを増す中、本来の役割が発揮できる、あるべき姿について言及しています。
岩手自治労連書記長は、自ら被災を受け家族が安否不明の中救援活動に奮闘する職員、子どもたちの傷ついた心に寄り添い守る保育士、住民の疲れ、怒り、いら立ちを受け止めながら復旧・復興の業務にあたる労働者を紹介しています。
そして、「庁舎がなくなろうと、住民のデータがなくなろと、自治体労働者が犠牲になろうと、住民がいる限り、地域がある限り、自治体は、住民を守っていかねばならない。多くの仲間は、住民の命と暮らしを守る仕事に本当に誇りと責任を持って、自分のつらさをかみしめながらも頑張っている」と語っています。
また、全教副委員長は、多くの学校が避難所となる中、被災者の命を守るために教職員、生徒が奮闘した姿を報告するとともに、子どもたちの心と体のケア、ガレキによる環境破壊から子どもを守りながら学校再開を不眠不休で続けてきたと記しています。
そして、この5ヵ月間を振り返るとき、甚大な被害の中で、なんとか子どもたちを支え、学校と地域を支えてきたのは、教職員の奮闘があったから、と言っても過言ではないと述べています。
同時に、両氏とも、自治体職場、教育現場において、職員、教職員の減少が被害を大きくし、行政機能を深刻にしたと指摘しています。
岩手県では、「行革」「集中改革プラン」によって市町村だけで1959人の職員が減らされています。
東北3県のこの10年間の小学校は176校減(88.5%、全国平均91.5%)、中学校は36校減(91.5%、全国平均95.7%)、教職員は2504人減(92%、全国平均98%)です。
想像を絶する状況の中で、それでも自治体労働者、教職員が地域住民の救助と生活再建の要となって奮闘できたのは、組合活動も含め、日常的なネットワークがあったからでしょう。
しかし、そうした自主的、創造的な活動をも支配下に置こうとする動きが、大阪府で強行されようとしています。
大阪府3教組委員長アピールは、「原発の安全に疑問を投げかける研究者や職員の意見を軽視し、異なる意見をしめ出してきた結果、福島第1原発の大事故はおきた」と、真理を探究すべき科学の根底にも触れながら、公教育を破壊するものへのたたかいを呼びかけています。
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